読了
「偽りの名画」アーロン・エルキンズ(ハヤカワ文庫)
スケルトン探偵「オリバー・ギデオン」シリーズで知られるアーロン・エルキンズの別の主人公シリーズ。今回の主人公は美術館の学芸員クリス・ノーグレン。パワフル感のあるギデオンに比べるとちょっとたよりなく気弱な主人公という印象。なんで美術館で働いていて事件に巻き込まれるのか?
実は、この本は17年前の1992年に買って読んだ一冊で久々に読み直した。学生時分から絵を見たり、美術館に出かけるのが好きだったが、そうはいってもそれほど絵に詳しかったわけではない。好きな画家も限られていたし、聞いたことない、あるいは、無名な画家だと素通りしてしまう。まあ、ミーハーな鑑賞趣味と言っても仕方がない。この本ではフェルメールやティツィアーノ、ルーベンスという画家の名前が登場する。が、学生時代はフェルメールには興味がなかった。今はそんなことはない。「フェルメール」と言えば…、と、多少の蘊蓄を語ることができるくらいの知識は得ている。そんな今の時分がこの本を読み直すと、多少、印象や読後感は変わってるかも、とそんなことから再読を試みた。幸い、ストーリーはすっかり忘れていたし、犯人も誰だったっけ、と。一つネタバレをすると「贋作」が一つのキーワードなのだが、どの作品が贋作だったっけ、というのも忘れてた。
読後感としては、17年ぶりに読んでも面白さは全く色あせないものだった。
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